鞍が淵伝説の蛇骨石
【沢山湖】


沢山湖(長野県上田市野倉)から
産川(うぶがわ/さんがわ)にかけて産出される
「蛇骨石」と呼ばれる石。



マニアであれば
一見して沸石だろうと見当がつきます。

アルチニー石も似たような形で出ますが
あちらは苦土(Mg)系なので
母岩は蛇紋岩のことが多いですね。

というか、アルチニー石の母岩は
蛇紋岩しか見たことがありません。

さて
「蛇」は「蛇」でも
こちらの「蛇骨石」の母岩は、安山岩のようです。



白色放射状のこの結晶が沸石なのは
間違いないのでしょうが
素人の自分には「なに沸石」なのかがわかりません。

産地的には
ナトリウム系のソーダ沸石
カルシウム系のスコレス沸石
そして両方入った中沸石(メソライト)などが
共生するようですが
ラベルはスコレス沸石となっていますから
詮索するのはやめておきます。


話をガラッと変えますが
信州には
「小泉小太郎伝説」というのがいくつかあるようで
なかでも
上田市近辺に伝わる「鞍が淵伝説」が
産地的には関連が深そうです。

かなり話を短くまとめますが
なぜか人間との間に子をなした大蛇が
鞍が淵でその子を産んだが
産後の肥立ちが悪くて
死んで白骨化し
その骨が産川に点々と流れたのが
この「蛇骨石」なんだそうです。

ちょっと怖い話ですね。
この石にそんな言い伝えがあるとは・・・



ちなみに
人間と蛇のハーフに生まれた子は
名を「小太郎」と言い
たいへんルーズな人間だったようです。

その小太郎が
なぜか川に流されて
たどりついた小泉村の老夫婦に拾われて
育てられたのだそうですが
先ほど書いたようなズボラ者で
婆に罵られたのだとか。

なんか
今どきのニートっぽい雰囲気になってきました。

とうとう婆に追い出されるように労働に出され
ここでまたなぜか
俄然やる気モードに火がついたようで
山中のシバをかって帰ったのですが・・・

帰った小太郎は婆に言います。

「山中のシバをひと束にしたから
ほどかずに抜いて使え」と。

ところが
ズボラな小太郎のいうことなど
適当に聞き流していた婆さまは
縄をほどいてしまったので
山中のシバが家の中で雪崩のようになり
婆さまは押しつぶされて
死んでしまったそうです。



うーん、どんな教訓が描かれているのか
さっぱりわからない!