【熊野三山へ―那智黒石を求めて―@】
2017年8月30日(水)
職場である塾の生徒から土産をもらった。
「先生、これ何かわかったら、あげるよ」
「粘板岩か頁岩だな・・・那智黒か?
「なんでわかるんだよ!」
「なめんなよ」
どうやら碁石の加工用材らしい。
くり抜いた板も売っているという。
うーん、是非そちらも欲しいものだ。
というわけで旅費と日程を確保するため
お袋とかみさんを「熊野三山巡り」で囲い込むことにした。
途中、亀山の関宿へ。
百五銀行関支店にて記念撮影。
伊勢へと向かう。
赤福ショップで赤太郎とツーショット。
そして赤福。
伊勢の次に向かったのは
尾鷲にある熊野古道センターという施設。
展示棟に入ると
スタッフの女性が明るく声をかけてくれた。
「今日はどのような?」
「ああ、明日三山巡りをするので、予習ができたらなと」
「なるほど、わかりました、では!」 と
それから30分くらい、説明したり、一緒に歩いてくれたり、
親身にやってくれた。
展示されていた那智黒石を見ていると
「それは熊野の名産で、那智黒石と言って、黒いんです
碁石の原料になるんですよ・・・
でも同じ那智黒なら黒飴の方がいいですよね、おいしいですし」
と、一般的な説明を受けたので
「いや、実は家族はお詣りが目的ですけど、自分はこれが目的で・・・」
と、石野郎であろうことをアピール。
「あー、そうなんですか、でも気をつけてくださいね、特に置物は・・・ごにょごにょ・・・」
「ぼくは碁石の材をくりぬいた後の板が欲しいんですよ」
「あー、それなら間違いなく本物の那智黒石です」
「は?」
「いえ、ごにょごにょ」
どうやら、ニュー那智黒のことを言っているらしい。
そもそも那智黒石というのは
熊野市上川町だけで採れる硬質の粘板岩で
近年では
粉末にしたものを固めて型に流し込んで成型したものが多く
これらに「ニュー那智黒」という名がつけられている。
宿泊したのは「里創人 熊野倶楽部」というコテージ風の旅館。
那智黒石は名称に「那智」があるが
那智勝浦の石ではない。
にもかかわらず
よく売られているのは那智勝浦なので
産地の誤解が生じることが多いらしい。
フロントで神川町の方向を教えてもらい
部屋に入る。
これを持って風呂に行くと
牛乳を一本飲ませてもらえるらしい。
神川町の方角を望みながら明日の構想を練る玉扇太郎。
旅館ではチラチラと那智黒石が目に付いた。
目指すくり抜き板には、出逢えるのだろうか。
そしてニュー那智黒には騙されないようにしないと・・・。