MINERALOGY


【第五講座】
日本列島の成り立ち―骨格編―



本当に大雑把な説明をします。
もっとちゃんと知りたい人は
それなりの解説書を読んでください。



まず第一に知っておきたいのは
地球上の陸地・・・というか地面(地殻)は
みんなプレートというものに乗って
移動しているということです。



プレートとは「皿」のことです。
その「皿」が
どこに浮かんでいるのかというと
それはマントルです。



その材質はドロドロのペースト状である
というイメージを持ってください。



マントルの材質は
最近の研究では「かんらん石」ということになっています。
石と言っても
地上とは比較にならない高温・高圧ですから
かなりドロドロなんです。



そのドロドロの上に
「皿」が乗って漂っているわけです。



「皿」はいくつもあります。
それらが好き勝手に漂いますので
時として皿と皿が衝突したり
重なり合ったりします。



太古の昔・・・
ジュラ紀から白亜紀にかけて・・・
ですから
2億年〜5000万年前ぐらいでしょうか。
(ここ、かなり適当に書いてますよ)
ある「皿」が大活躍しました。



その頃はまだ、日本列島の原形は
ユーラシア大陸の東の端っこに
こびりついていました。



そこに、その「皿」が元気よく
南の海からやってきます。



海の方からやってきますから
皿の上には海洋堆積物がたくさんのっています。
プランクトンやサンゴが積もってできた
石灰岩やチャートです。



そんな海洋堆積物を
まるでカレーの汁のように上にのせて
どんどん、どんどん
ライスののっているユーラシアプレートに
潜り込んでくるわけです。



このあたりのメカニズムは
よく知りませんし
おそらく完全には解明されていないのですが
ともかく
その「皿」の上に載っていた
「石灰岩」やら「チャート」やらの
海洋堆積物カレーが
ユーラシア皿にのっているご飯にミックスされ
汁ののっていた皿は潜り込み
カレーライスのプレートの出来上がり・・・
という感じで
今の日本列島の骨格が
出来上がったのではないかと
言われているような
言われていないような・・・



ともかく
その皿の活躍で
日本列島の骨組みが出来上がったらしいのです。



そんなわけで
この「皿」のことを
国造りをしたイザナギ・イザナミにあやかって
「イザナギプレート」
と呼んでいます。



カレー汁は専門的に言うと「付加体」です。
日本の骨格は
この「付加体」がメインとなっているのです。

そういった動きの真っ最中
ある時
大陸にピキピキピキピキと
横一文字に断層が走りました。



この大規模な動きがあったのは
ジュラ紀の終わりから
白亜紀のはじめごろだと言われていますから
1億5000年前ぐらいじゃないでしょうかね。

断層によって区切られた南側は
イザナギプレートに乗って北上したと言われています。




その結果断層の南側には
もっとずっと南の方でできた地質がはるばるやってきて
南北でまったく違う地質が
ピタッと隣り合うことになったのです。

専門用語で言うと
この大規模な断層のことを「中央構造線」といい
そしてその北側を「内帯」
南側を「外帯」と呼んでいます。



中央構造線は
人工衛星の写真でもくっきりわかるほどの線です。



なお
イザナギプレートは大活躍の末
2000万年前頃までには
完全にユーラシアプレートの下に
潜り込んで消えてしまったようです。



まさに「神出鬼没」と言ってよいと思います。