MINERALOGY


【第七講座】岩石の種類A堆積岩B生物岩
Aチャート



チャートはプランクトンの殻など
生物起源の珪酸塩が海底に降り積もって生成されます。
ですから
生物起源の堆積岩です。

ちょっと細かい話をしますと
珪酸塩が海中に溶ける深度は4000mほどで
炭酸塩が溶ける深度は5000mほどだそうで
炭酸塩が溶ける深度では
珪酸塩は溶けずに堆積します。
プランクトン一つとっても
珪酸塩でできた殻は残り
中身の炭酸塩は溶けるわけです。
つまり純度の高い珪酸塩が堆積することになります。

しかしながら
日本国内で一般に見られるチャートは
縞々になっていて「層状チャート」と呼ばれます。
なぜ縞々なのかというと
間に頁岩の層が挟まっているからです。

なぜ、そうなるのか。
答えは明確です。
ある一定の時期、プランクトンが積もらなかった
ということです。

チャートは数mm積もるのに1000年かかると言われます。
縞々を観察すると
それぞれの縞が1cm前後から数cmありますから
数千年から1万年以上かかって堆積したということになります。

このアバウトな計算から導き出される仮説は
数千年から1万年ぐらいに一度
海中のプランクトンが絶滅しているのではないか
ということです。

ただ、地球46億年の歴史では
例えばオルドビス紀の大量絶滅にしても
デボン紀の大量絶滅にしても
「数千万年から億年」単位の規模ですから
ちょっとスケールが当てはまりません。

チャートの縞を形成したイベントは
もっとローカルなスケールでの出来事なのでしょう。

チャートの中でも
石灰質の地質に硬質の塊として生成する
「フリント」と呼ばれるものもありますが
こちらは生物岩ではなく化学岩と考えた方がよさそうなので
別の項に譲ります。

では、様々なチャートの産状を見ていきましょう。