MINERALOGY


【第四講座】
地球史を「ひねもす」スケールで考える



「ひねもす」は漢字で書くと「終日」
つまり「一日中」という意味です。
与謝蕪村の俳句に
「春の海ひねもすのたりのたりかな」
というのがあります。



地球が誕生してから
およそ46億年ほどだと言われています。
地球史カレンダーというと
たいていは
この46億年を一年365日のスケールに換算します。



ここでは
ちょっと趣向を変えて
46億年を24時間どころか
「終日」
つまり12時間として計算してみます。



イメージとしては
平日の朝起きてから
学校や会社から帰るまで・・・
何となく、46億年のスケールが
身近に感じられませんかね。



それでは始めます。
まずは6時起床です。
朝起きて最初のイベントは
小惑星が地球に衝突した
通称「ジャイアントインパクト」により
月が誕生したことです。



起きてから15分以内の出来事でした。
続いて7時半ぐらいまでに
大雨が降り、マグマが冷やされ、海が作られ
最古の岩石が形成されました。
まさに「朝のバタバタ」です。



最古の生命が誕生したのは
9時少し前です。



最古の生命が誕生してから
海中で酸素を放出するようになるのに
約2時間かかります。
午前11時頃です。



シアノバクテリアの大繁殖で
放出された酸素が
海中で鉄イオンと結びつき
海底に酸化鉄が沈殿していきます。



酸化鉄の層と
シアノバクテリアの死骸の層が交互に堆積し
ストロマトライトを形成しました。



やがて
海中の鉄イオンが枯渇し
結びつく相手を失った酸素は
11時40分頃から
大気中にあふれ出してきました。
「大酸化時代」
そして
「原生代」の始まりです。



しかしそれから
生命は長い時間をかけて
多様化・複雑化していきました。
そろそろ夕方にさしかかる
午後4時18分。
それは突然起きました。
一気に生命の種が多様化する
「カンブリア大爆発」です。



そして
「古生代カンブリア紀」の始まりです。



午後4時53分、植物の上陸。
午後4時57分、魚類の繁栄。
午後5時21分、両生類の出現。
午後5時24分、恐竜の出現。
午後5時25分、哺乳類の出現。
午後5時40分、花が咲く。
午後5時48分43秒、ティラノサウルスの繁栄。
午後5時49分40秒、恐竜の絶滅。
午後5時59分23秒、アウストラロピテクスの誕生。
午後5時59分58秒、ホモサピエンスの誕生。



帰宅ラッシュに揉まれ
午後6時、やっと帰宅です。
お疲れさまでした。



なお、夜型の人はご自身で
「よもすがら(一晩中)」タイプを
作成されてはいかがでしょう。