神世七代
―そのシナリオの意味―



クニノトコタチ、トヨクモノ以降
出現する神々はみな男女対となっている。

クニノトコタチを一代
トヨクモノを二代とし
その後の男神・女神をセットで一代としてカウントする。

そしてクニノトコタチから数えて七代目
ペアにして五代目にあたるのが
超メジャーな神様
イザナギ・イザナミであり
国土を造ったこの二柱までの七代を特別に
「神世七代(かみよななよ/かみよしちだい)」
と呼んでいる。

この七代に関しては
日本書紀でもほぼ同様に出現することから
(正確には神の呼称の一字二字の差はあるが)
このあたりの伝承は
かなり一般に流通していたのではないかと
勝手に推測する。

それだけに万人が納得するだけの
しっかりした意味付けが為されている。

まず三代目はウヒヂニ・スヒヂニのペア。
ウヒヂニのウは「泥」で
スヒヂニのスは「砂」らしいが
大地の基礎を暗示させているのだろう。

続いて四代目のツノグヒ・イクグヒ。
「グヒ」は「ぐむ」の意味で
「芽ぐむ」「育くむ」などの「ぐむ」だろうか。
ツノグヒは「(芽が)角(のように)+ぐむ」か?
イクグヒは「生く+ぐむ」「活く+ぐむ」か?
植物が芽吹き、動物が生育するという暗示だろうか。

続いて五代目はオオトノジとオオトノベのペア。
いよいよ男女のペアっぽくなってくるようだが
ちょっと抽象的な感じはする。

六代目はオモダル・アヤカシコネ。
オモダルは「完成した」という意味があるらしい
アヤカシコネは「ああ、かしこい!」みたいなイメージ。
セットで
「完成した、すばらしい!」
ぐらいな感じらしいが・・・
ちょっと自信がない。

最後に七代目のイザナギ・イザナミのペア。
ここからは別項にて詳しく研究したいが
さて
この間に入る神々は覚えるべきや否や。

この後、活躍するわけでもないので
この部分は流れと意味付けだけ知っておけば
一般的には事足りるのではないかと思う。