国生み
―そのストレートな性描写―



オッ立てた雨の御柱の前でイザナギは問う。
「あなたの体はどのように出来ましたか」と。
イザナミはこう答える。
「わたしの体は出来上がって足りない部分があります」と。
イザナギは自分で
「わたしの体は出来上がって、余っている部分があります」
と言った。

さらに続けて言ったのが
「わたしの余っている部分を
あなたの足りない部分に刺してふたをして
国を生んだらどうかと思うがどうだろうか」と。

これ、意味はあえて触れないが
「国を生んだらどうかと・・・」
と名言しているので
「素朴な好奇心」を表しているとか
「凹凸の一体」という宇宙論的な表現であるとか
そういう小難しい議論をすべて吹き飛ばしてしまう。

非常にストレートな物言いである。
今試しにやってみたら、即アウトであろう。

ところがイザナミは言う。
「いいですね。」と。

その後
イザナギやイザナミはもとより
神々は平気でポンポンと
何の理屈もメカニズムもなく、しかも単独で
子を生むわけだから
その気になれば国の一つや二つ
ポンポンと作ればよいのだが
やはりここは
大事なセレモニーとして描いておく必要があった
ということだろうか。