「死」の定義について
―カグツチの悲劇によせて―



カグツチを生んだせいで大やけどを負ったイザナミは
イザナギの願いも空しく亡くなってしまった。

誰かが言ったり書いたりしているのに
出会ったことはないが
はっきり言って
「日本で一番最初に死んだ神」
ということになるんじゃないだろうか。

というか
神の「死」の定義って?

例えば
カグツチはイザナギの逆恨みによって切り殺されたが
その体から8柱の神様が生まれて
カグツチそのものは消滅した。

ついでに言うと
メソメソしているイザナギの涙から
神様が1柱生まれ
カグツチを怒りに任せて切り殺した
その刀についた血からは
8柱の神様が生まれている。

その中に
ずっと後に活躍するタケミカヅチという神もいるのだが
とりあえず、ここではスルー。

イザナミは
死んだと言っても
この後、黄泉の国で「暮らしている」わけで
死んでないじゃん・・・という感じ。

今一つ、神の「死」の定義がわかりません。
(たぶん、わかる必要もないのだろうが・・・)

さて亡くなったイザナミを
イザナギは「比婆山」というところに埋葬する。

原典によれば
出雲と伯耆の堺の・・・とあるので
一応、島根県安来市伯太町にある比婆山が有力なのだろうが
他にも候補はあるようだ。

まあ・・・いずれにせよ神話ですから・・・
どこが正しいというようなものでは・・・。

で、結局
寂しくて寂しくて
とうとう、イザナギはイザナミを取り戻すべく
黄泉の国に向けて出発したのだが・・・

おい!
じゃあ、カグツチは殺され損じゃないか!