グロシュラー群晶/ベスブ石の脈
【秩父鉱山/橋掛沢】


石灰岩にマグマが侵入したことで
スカルン変成が起こり
各種の鉱物が生成されました。



その中でも、おそらくこの秩父では
一番ありきたりに見られるのが
グロシュラーだと思います。



さすがに沢の下流域まで流れ落ちてくることは
そうそうないようですが
少し登れば露頭から転げ落ちていたりします。



ただし、ここに載せているものは
おそらく業者が重機で露頭を破壊した後の転石です。



おこぼれを頂戴してきたわけですから
偉そうなことは言えませんが
破壊されていなければ
細々と転石を採取するか
露頭の端をちょっと割らせてもらえば済むこと。

度が過ぎた破壊はやはり
慎むべきではないかと思います。

こちらの石も同じ露頭のもの。



母岩についた状態ではなく
結晶の群晶がコロンと取れたような感じです。



続いて、同じく採取地は同じ。



母岩にやや小粒のものがついています。
やや黒ずんでいるように見えます。

よく見ると黒ずんで見れる部分は
どうやらベスブ石のようです。



続いて、今度はベスブ石がメイン。



脈が走っているのが観察できます。



切り立った壁のような断面の母岩。
母岩そのものもグロシュラーのようです。



壁面のように見える塊状から
粉のような粒状、そして小粒、大粒と
グロシュラーの育ち方が観察できる
よい産状だと思います。

採取地によっては
カルサイトが絡んでいたり
磁性があったり
グロシュラーと言ってもバリエーションがありますが
石灰岩とマグマのスクランブルが起きる中で
成分がどのように結ぶ着くかは
それこそ千差万別でしょうから
バリエーションが多いのは
当然と言えば当然のことかと思います。