【秩父鉱山】


石炭紀からジュラ紀にかけて形成された
「秩父帯」の名称の由来となった地。
もちろん、ここの地質も
その秩父帯を主幹としている。



秩父帯は
プレートの潜り込みで削られた海底堆積物が
スクランブルエッグのようにかき混ぜられながら
どんどん継ぎ足されていった
専門的には「付加体」と呼ばれる地質。



大雑把に言ってしまえば
チャートやら石灰岩やら砂岩、泥岩やら・・・の
ごちゃまぜ丼ということになる。



秩父鉱山一帯は
秩父体の南端に位置し
元々は各種堆積岩をメインとした中に石灰岩が点在する地質であった。
そこに新生代第三紀に
石英閃緑岩マグマの貫入が起こり
石灰岩が接触変成を受けたことで一部スカルン化した。



接触面からやや遠い
つまり、変成の若干甘いスカルン中に
採取ターゲットとなる
ザクロ石、ベスブ石、スピネル、クリントン石など
各種結晶が育っている。



スカルン鉱物は
雨などによる自然浸食で急峻な沢を転げてくるため
沢の下流などで比較的容易に採取できるが
上級者は脈を探して沢を登っていく。



主な沢は東から順に
「石灰沢」「橋掛沢」「小倉沢」「雁掛沢」「六助沢」と
出合を西に行った「ウズノ沢」である。



金属鉱物は
スカルンと同じく
第三紀マグマの貫入によって形成された
金属鉱床で生じたもので
鉱床は秩父エリア内にいくつか横たわっている。



主な鉱床は北から順に
「道伸窪」「赤岩」「六助」「和那波」「大黒」「中津」の各鉱床であり
大黒と中津の間にも小規模ながら
「滝上」「山鳥」の各鉱床がある。



金属鉱物の採取については
鉱床を掘った坑道脇のズリが中心になるが
大黒坑ではズリ石を川に捨てていたため
大黒下流域では
そのズリ石を採取することができる。



なお、当産地は大規模ながら
上述したように大きく分けて
「スカルン」と「金属鉱床」とにシンプルに二分されるため
細かい産地の詳細は割愛しても
十分、地質学的な興味は満たされるものと考えた。



中には守秘義務を負った産地もあるため
そのような場合は
上記の地質学的な特徴も踏まえ
産地の記載を「秩父鉱山」とするにとどめた。



☆写真をクリックしてください☆


推定毛鉱
【秩父鉱山/大黒川原】
カルサイト/ベスブ石
スカルン母岩
【秩父鉱山】
二地点の金属鉱石
(磁性あり)
【秩父鉱山】

緑簾石/ザクロ石など
(塊状ザクロ石母岩)
【秩父鉱山】
グロシュラー群晶
/ベスブ石の脈
【秩父鉱山/橋掛沢】
スピネル
/クリントン石?
【秩父鉱山/石灰沢】

ブルースピネル
【秩父鉱山/石灰沢】

脈状の金属鉱石
【秩父鉱山/大黒川原】
不可思議石
晶出順序の謎
【秩父鉱山/大黒川原】

菱マンガン鉱
【秩父鉱山/大黒川原】
斜灰簾石
(桃簾石)
【秩父鉱山/赤岩鉱床】

白鉛鉱
【秩父鉱山/赤岩鉱床】

磁鉄鉱
【秩父鉱山/石灰沢】
ベスブ石の結晶
(そろばん玉状など)
【秩父鉱山/石灰沢】

キラキラな方鉛鉱
【秩父鉱山/大黒川原】

大き目の黄鉄鉱結晶
【秩父鉱山】